こんにちは。満寿園のケアマネジャーです。
今日は福祉用具についてのお話です。
最近足が弱くなってきた、つまづくようになった、腰や膝が痛いなど、年齢を重ねて徐々に身体の変化を感じながら、これまでと同じように生活されている方がおられると思います。そんな中で、ふとした時に転倒して骨折したり、無理に力がかかって圧迫骨折をしたりと、気を付けていても大きなケガにつながることがあります。
日常生活で体が動かしづらいと感じたとき、自分でできることをサポートしてくれるのが福祉用具です。
ホームセンターやインターネットで購入できるものもあり、ご自分で資材を揃えて取り付ける方もおられますが、介護保険で利用できる福祉用具は、それぞれの家の造りや環境、使う人の体格や特性、生活スタイル等に合わせて、福祉用具専門相談員やケアマネジャーが適切な用具を提案したり、一緒に相談しながら決めることができます。
また、介護保険でレンタルできる福祉用具は、不具合があればメンテナンスや交換が受けられ、身体の状態の変化に合わせてその時必要なものに途中で変更することや、調子が戻って不要になれば返却することもでき、状態や状況にその都度合わせて環境を整えていくことが可能です。まずは数日間お試しで使用してから、実際にレンタルするかしないかを決めることもできます。
福祉用具は、ご利用者本人の状態はもちろん、後述のシャワーチェアのようにご家族の負担の軽減を図る工夫も考えられています。
例えば、こちらは築100年以上の古民家です。
昔ながらの土間の広い玄関で、上がり框の高い段差があります。腰をかけてちょうどくらいの高さを、高齢の方が昇り降りするのは一苦労です。この段差を楽に昇降できるように、踏み台つきの手すりのレンタルを開始しました。これで、大好きな日向ぼっこのために外に出られるようになりました。
続いてこちらは勝手口の段差です。
洗濯物を干したりゴミ出しに行くのに、勝手口の段差の昇降が大変だと相談を受け、現在はこのような手すりを設置しています。手すりとなる部分が3カ所あるので、昇降時に持ちやすいところをパッと持つことができます。この家に住んでおられる、円背(背中や腰が大きく曲がっている状態)の小柄なご利用者に合ったものを一緒に選びました。
「物に頼ると、ますます悪くなる」と思われる方もおられますが、無理をすると足腰に負担がかかり、逆効果になる場合もあります。
負担なく移動できることによって生活の幅が広がり、自分でできることが増えることはよくあるケースです。
介護保険で利用できる福祉用具は、レンタルできるものと購入できるものとがあります。
こちらは介護保険で購入できるシャワーチェアで、お風呂で体を洗ったりシャワーを浴びたりするときに立ち座りが楽になります。また、一般的なものと違って股の部分に大きな空間がある仕様になっていて、自分で洗う場合も、ご家族が介護する場合でも、座ったまま陰部が洗いやすくなっています。「足が弱っても自分できれいに体を洗いたい」という方に紹介したものです。
こちらの写真は、福祉用具の業者さんと新しい用具を試しているところです。
他にも最新の介護用ベットやマットレス、歩行器などを試す機会をいただいています。福祉用具には様々なものがありますが、いろいろな創意工夫がされていて常に進化しているので、私たちも業者さんを通じて勉強させてもらっています。
いかがでしたが?
数年の間でも、機能やここちよく使える工夫が増えたりと進化しているものが多いので、気軽に話を聞いてみるだけでも楽しいと思います。
ご紹介できたのはほんの一部なので、気になることや心配なことがありましたら、ケアマネジャーにご相談ください。