9月初旬、峰山町にあるショッピングセンターマインの従業員の皆さんに向けての「認知症サポーター養成講座」が開催されました。その講師として、京丹後市長寿福祉課から依頼を受け、調剤薬局の薬剤師の方と共に、当法人特別養護老人ホーム施設長と居宅介護支援事業所管理者が参加しました。
認知症サポーター養成講座とは・・・
・国による認知症への理解促進の取り組みの一環として各自治体が実施主体となり全国各地で行われています。
・認知症に対する正しい知識と理解を持ち、地域で認知症の人やその家族に対してできる範囲で手助けする
「認知症サポーター」を養成し、認知症高齢者等にやさしい地域づくりにつなげるのが目的です。
・認知症サポーター養成講座は、地域や職域団体等で、住民講座、ミニ学習会として開催されています。
今回の講座の主な内容は・・・
・認知症の基礎知識
<例えばこんなことをお話しています>
一言で認知症といっても、実はいくつかの種類があります。そして、認知症の種類によって原因や症状が違い、それによって対応も異なってきます。まず、認知症にはどのような症状があるのかを知っていただき、それにより暮らしのどんなことに影響があるのかを学んでいただきました。
・認知症の方への対応 ~お店での具体例を元に~
<具体例>
・レジでの支払いがうまくできない高齢者を見かけたとき
・同じものを不自然なほど何度も購入される方に対応するとき
・店内を長時間歩きまわる高齢者を見かけたとき
・店舗にあるATMの操作に戸惑っている高齢者を見かけたとき
どれもよくありそうな状況です。
受講者からは、始め「認知症の方かどうかわかりにくく、声をかけて失礼にならないか。」などの声が聞かれました。講座では、「人に訊けずに不安そうなお客さんには、ちょっとした心遣いのある言葉で、『何をしてほしいかではなく、その人が何をしたいか』の視点で声をかけてみてください。」とお話しすると、その後のグループワークでは具体的な対応方法について積極的な意見が交わされていました。
若年性認知症の方がある講演会でお話された内容で印象に残っている言葉があります。それは、「失敗しても怒らず、次はできるかもと信じてあげて。」「当事者は守られるのではなく、皆さんの力を借りて課題を乗り越えることが必要だ。」という言葉です。
効率追求の世の中で、それぞれに求められるものも多いですが、認知症の方への配慮とは、求めるものを少し緩めることで、失敗に深刻になりすぎず、その人が、その人の力で、その人の人生を自らの力で生きるのを支えることではないかと思います。